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東洋医学から学ぶ 動悸や息切れの原因は自律神経の乱れ? 効果的なヨガのポーズ
最も多いのが自律神経のバランスが崩れておきる動悸や息切れ
動悸(どうき)や息切れなどの原因は、心臓や甲状腺の病気、貧血などが関係していることもありますが、最も多い原因として自律神経の乱れがあります。
自律神経は、不安や緊張などストレス状態にあるとき交感神経の働きが高まり、筋肉が緊張し、血圧や心拍があがり、呼吸は浅くなります。
逆に副交感神経が活発になると、体は緩み、血圧や心拍もさがり、リラックスした状態になります。
自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで心拍数の調節や体温調節、血管の収縮、拡張など人の体の機能をコントロールしています。
このコントロールが乱れること、動悸や息切れが起こると言われています。
今回は、その自律神経のバランスを整えるヨガの呼吸法やポーズをご紹介します。
※とくに緊張するような場面でもないのに、頻繁に動悸がする、呼吸が苦しいという場合は、何らかの病気が原因になっているのかもしれません。
こういった症状が長く続く、気になる場合には、まずは循環器内科や呼吸器内科などで検査をしてみることが大切です。
ヨガの呼吸法で心身を安定させよう!
循環器系の検査を受けても問題がない場合は、ヨガの呼吸法をはじめてみましょう。
何かと忙しい現代人にとって、わざわざ深呼吸をおこなうのは面倒くさいことかもしれませんが、深い呼吸を意識的におこない、それを続けることで、不快な症状が改善されます。
呼吸には自律神経を調整して精神を安定させる働きがありますが、デスクワークなどをしていると、呼吸を意識することなどあまりありません。
しかし、実際は同じ姿勢で長時間働いていると、呼吸は浅く早くなっており、軽い酸欠状態といえます。
そのため、胸が苦しくなったり、動悸や息切れがおこってしまうのです。
・呼吸のポイントは息を長くゆっくり吐くこと
ヨガには心を沈め、気を高める呼吸法がいろいろありますが、それぞれをマスターするにはある程度の訓練が必要です。
しかし、立ったままでも座ったままでも誰でもいつでもおこなえるのが「腹式呼吸」と「逆腹式呼吸」です。
息を吐くときにお腹をへこませて、吸うときに膨らませるのが「腹式呼吸」で、息を吐くときにお腹を膨らませて、吸うときにへこませるのが「逆腹式呼吸」です。
息を吐く時間は、吸うときの2倍くらいの長さを目安にはじめてみましょう。
ヨガの呼吸は、「吐く息に意識を向け、ゆっくり長く吐く」ことです。
「腹式呼吸」でも「逆腹式呼吸」でもどちらでもよいので、やりやすい方法でおこなってください。
深い呼吸をゆっくりとおこなうと全身に酸素が届き、筋肉がほぐれ副交感神経が刺激されます。
呼吸が心身に大きな影響を与えていることは、医学的にも末梢血管の血流量を測定する実験の結果で証明されています。
自律神経の働きを整える方法
交感神経は日中の活動をするときに優位に働き、副交感神経は夜の休息中などに優位に働きます。
交感神経は心臓、血管、肺などに関係しており、副交感神経は唾液腺や胃や小腸といった消化器に関係しています。
それぞれが役割分担をおこない、順調に働いてくれれば体や心のトラブルを避けることができます。
自律神経の働きを整える方法のひとつは、できる限り日の出とともに活動を始め、日の入りとともに休養するという、原始時代のような体内リズムにそった暮らし方をすることです。
また、慢性的な運動不足を実感しているなら、暮らしに運動を取り入れると、自律神経のリズムにメリハリがでてきます。
特にヨガは有酸素運動と無酸素運動が同時におこなえるのでおすすめですが、最初のうちは無理をして複雑なポーズにチャレンジするより、呼吸がメインの簡単なポーズをしっかりとれるようにしましょう。
・自律神経の乱れを整えるヨガのポーズ
肩立ちのポーズ
ヨガを代表する肩立ちのポーズは、足を高く上げることで血行を促進し、内臓機能の調整や疲労回復、睡眠の質の向上にも効果があるといわれています。緊張をやわらげる効果もあることから、瞑想に入りづらい人にもおすすめのポーズです。
- 寝転んだ状態で壁にお尻をつけて、息を吸いながら足を上げます
- 両手は体の横でリラックスさせます
- そのままゆっくりと呼吸をしましょう
合蹠(がっせき)のポーズ
合蹠のポーズは、股関節の柔軟性を高めることができます。骨盤を刺激することで血行を促進し、泌尿器系の働きを正常に整える効果が期待できます。
- 足を前に伸ばして座ります
- 両足を曲げて足の裏を合わせ、つま先を持ちます
- 息を吸いながらかかとを体に引き寄せ、背筋を伸ばします
- 息を吐きながら上体をゆっくり前に倒します
- そのままゆっくりと呼吸をしましょう
仰向けの英雄のポーズ
仰向けの英雄のポーズをすることで、前ももの筋肉を伸ばして足をリラックスさせることができます。足のむくみ解消をはじめ、腹部を刺激することで消化改善や生理痛をやわらげる効果も期待できます。
- 両足を横に開いた形で正座をします
- 息を吐きながら、仰向けになります
- 両腕を耳の横でまっすぐに伸ばします
- そのままゆっくりと呼吸をしましょう
まとめ
緊張や悩みが多いときには動悸や息切れが起こりやすいため、過労やストレスをためないことが大切です。
とは言え、生きていく中で心身のトラブルは避けては通れません。
気がついた時に深い呼吸、寝る前に自律神経を整えるヨガのポーズをおこなって、心身を健康な状態に導きましょう。